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連載 第3回

アルプス電気株式会社
営業本部 新事業推進部
センサプロジェクト 主任
黄瀬明彦
精度の追求と設計自由度の高さで
最適なソリューションを提案。
アルプス電気の“高精度磁気センサ”



さまざまな機器に組込まれるセンサにおいて、最近急速に需要が高まってきているのが
非接触式の磁気センサ。アルプスはその中でも最先端の技術を駆使した
「高精度磁気センサ」を戦略製品として展開しています。
HDDの磁気ヘッド技術から誕生した高精度磁気センサ。

アルプスの「高精度磁気センサ」は、従来ハードディスクドライブ(HDD)の磁気ヘッドで培われた先端技術から生まれました。高密度で記録された微小な磁気の変化を読み取る磁気ヘッドの高感度、高精度、高信頼技術を惜しみなく投入したものです。
アルプスが今後、戦略製品として一層力を入れていこうとしている高精度磁気センサは、従来使われていた磁気センサに比べ、検知範囲が広く、高感度領域でも性能のバラツキが少ないことから、基板設計やセンサ配置の自由度が増し、機器の小形化や多機能化に大きな威力を発揮。
さらに業界トップクラスの省スペースサイズ、低消費電流、安定した温度動作特性なども実現しており、携帯電話、パソコン、情報機器、AV機器、情報家電、白物家電、自動車など、幅広い分野への活用の可能性が広がっています。

広範囲・高精度の磁界検知で、設計自由度を向上。

まずアルプスが2007年3月に出荷を開始したのが、携帯電話やノートパソコンなどのディスプレイの開閉検出に適した高精度磁気センサ・スイッチング出力タイプ「HGDシリーズ」。
携帯電話やノートパソコンのディスプレイの折りたたみ、あるいは冷蔵庫や洗濯機の扉・蓋などの開閉検出は、スイッチなどによるメカニズムで行う方法と、磁気センサによる磁界検知で行う方法に大別されます。昨今、携帯電話は大半が折りたたみ形で、かつ小形・薄形化する傾向が顕著となっており、さらに多様な用途シーンを想定し、液晶画面が回転するなど、機構の複雑化も進んでいます。こうした形状や機構に対応するため、セット製品に組込まれる部品には、小形・薄形化に加え、設計自由度の高さへの対応が求められています。
HGDシリーズは、これらの折りたたみ機構や扉・蓋の開閉検出に用いることのできる高精度磁気素子を利用した磁気センサで、搭載されている高精度磁気素子は、他の磁気素子に比べ、広範囲の磁界を高精度に検知することが可能。それに伴い、センサとしても磁界の検知範囲がより広くなり、セット製品の設計の自由度に貢献することができます。
また、磁界検知は、1. 一方向のみの磁界を検知するタイプ(単極1出力)、2. 二方向の磁界をそれぞれ検知し、ひとつの信号として出力するタイプ(双極1出力)、3. 二方向の磁界をそれぞれ検知、それぞれ別の信号として出力するタイプ(双極2出力)の3つのバラエティを実現。さらに端子を製品本体の裏側に配置し、サイズも業界最小レベルの小形化を実現したMAP(Mold Array Package)タイプと、実装を容易にするために端子を製品本体の側面に突き出させたSON(Small Outline Nonleaded)タイプの2種類をラインアップ。セット製品から求められるさまざまな機能や設計に合わせることを可能にしています。
加えてHGDシリーズの高精度磁気素子は、他の磁気素子と比較して高い信号出力能力を保有し、これによって信号処理回路を最小限にとどめることができ、セット製品の低消費電流化、省スペース化にも貢献することができます。
従来に比べ検知範囲を拡大したアルプスの高精度磁気センサ

微小な角度検知を実現する「HGARシリーズ」。

このHGDシリーズに続いて、2007年9月に出荷を開始したのが、さまざまな機器内部の回転機構の角度の検知に適用できる高精度磁気センサ・アナログリニア出力タイプ(回転検知用)の「HGARシリーズ」。
近年、機器内部の回転機構の滑らかで正確な動作や、機器への人の操作の正確な伝達のために、微小な角度をより的確に検知するデバイスが求められています。例えば、ロボットの腕・足などの関節角度や建設機械のアーム角度の検知、プリンタや複写機の紙送りの各種制御部の角度検知などにおいて、より微小な角度検知を行うことで、利用者が意図した微妙な動作やスムーズな動きを実現しました。
HGARシリーズは、2.00×1.50×0.65(W×D×H)mmと小形ながら、磁石の回転角度を検知するアナログリニア出力タイプの高精度磁気センサ。検出対象に取り付けた磁石の磁力線の向きの変化を読み取ることで、角度検知を可能にしました。
高精度磁気素子を採用したHGARシリーズは、非接触式センサのため、従来の接触式センサで発生するしゅう動ノイズによる出力の乱れがなく、より直線に近い出力(高S/N比)を得られ、角度を細かく分割する角度検知システムの設計に寄与。このHGARシリーズを使用すれば、約10bit(1,024)分割という高精度なシステムの設計も可能で、また検出対象である磁石の動きが磁界として直接センサに伝わるため、メカニカルなヒステリシスも大幅に改善。さらに低消費電流化や、非接触化によって一層耐久性が向上、長寿命化を実現した製品となっています。

セット製品からのニーズに、柔軟に対応。

「高精度を追求しているとともに、セット製品から求められるさまざまな要件に柔軟に対応することができます。さらにアルプスが持つ各種センサを適材適所に適用することによって、お客様にとって最適なセンサソリューションをご提案します」(営業本部新事業推進部センサプロジェクト 主任 黄瀬明彦)
HGDシリーズ、HGARシリーズに続いて、今後は磁界の強度を検知するアナログリニア出力センサや、デジタル回転センサ、方位センサ(傾斜補正アルゴリズム付き)、車載用アナログ回転センサなどの開発も予定している高精度磁気センサ。その活用範囲はますます広がっていきます。


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