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連載 第2回

アルプス電気株式会社
営業本部コンポーネント営業部
マーケティンググループ 主査
吉田 稔
長年培った可変抵抗器の技術をベースに
長寿命・耐熱性に優れた製品群を展開する
アルプス電気の“抵抗式センサ”



アルプス電気のセンサ事業において最も長い歴史と実績を持つ抵抗式センサ。
オーディオなど民生分野で培ってきた可変抵抗器(ボリューム)の技術をベースに、
自動車分野(車載)をはじめとした用途が広がっています。
民生用から車載向けへ、センサの用途はさらに拡大。

アルプスの抵抗式センサは、オーディオ機器用の可変抵抗器(ボリューム)で長年培ってきた抵抗体と接点技術をベースに、市場ニーズの厳しい要求に対応しながら技術の進化を遂げ、長寿命化や耐熱性、信頼性に優れた製品として評価を受けています。そして、その活躍の場を民生分野から車載へと広げてきました。
車載用センサでは、1977年に電子燃料噴射システムに使用されたエアフローメータ用抵抗体基板を開発・生産したのを皮切りに、1981年には吸気バルブの開閉弁位置を検出する「スロットルバルブ・ポジション・センサ」を開発・生産。その後、排気ガス中の窒素酸化物を低減させる「EGR(排気ガス再循環)システム」に使用される「EGRバルブ・ポジション・センサ」をはじめ、運転者の意思を検知する「アクセル・ペダル・センサ」「ステアリング・アングル・センサ」「ブレーキ・ペダル・センサ」、車体の高さや前後の傾きなどを検知する「シャーシ・ハイト・センサ」、エアバッグの高度な制御を可能とする「シート・ウェイト・センサ」といった幅広い用途に適用される製品を提供してきました。なかでもスロットルバルブ・ポジション・センサやEGRバルブ・ポジション・センサといった自動車のエンジン制御と深くかかわる製品において、抵抗式センサは確固たる実績を上げています。
アルプスの車載用抵抗式センサのこうした実績を支えているのは、分子設計から高分子合成および材料複合化まで対応できる「材料技術」、成形部品のモールドフロー解析や磁場解析に代表されるシミュレーションを活用した「設計技術」、ナノオーダーの制御が可能な「加工技術」、そして実車をエミュレートした「評価技術」といった4つのコア技術があるからです。

高精度、高しゅう動耐久性、そして高耐熱特性を実現。

特に、アルプスが培ってきたコア技術の中で、厚膜技術を使ったしゅう動抵抗素子を用いたEGRバルブ・ポジション・センサは、EGR装置のバルブ位置を検出するセンサ。EGR装置とは、排気ガスの一部を吸気側に再循環させることで吸気中の酸素濃度を低下させ、燃焼温度を下げることを可能にし、自動車の排気ガス中に含まれる光化学スモッグなどの原因となる窒素酸化物を低減させるシステムです。EGRバルブ・ポジション・センサは、排気バルブの位置を検出し、エンジン制御モジュールへフィードバックさせる重要な役割を担っています。これにより、排気ガスの最適な循環量の制御が行われ、大気汚染の低減に貢献しています。
アルプスのEGRバルブ・ポジション・センサの主流はリニアタイプで、バルブの直線的な動作を可動接点、すなわちブラシに伝え、抵抗体上をしゅう動させることで電気信号に変換しています。同センサには、高精度、高しゅう動耐久性、高耐熱特性が要求されるため、アルプスでは、材料面で高耐熱性エンプラやセラミックスを選び、抵抗体を構成する材料そのものの分子構造から見直しを図りました。また構造設計的には、成形モールドフロー解析や熱変形解析を行い、熱の影響を最小限に抑えるとともに、バルブの振動をブラシに直接伝えにくくするため、独自のエキセントリック構造を採用しています。これは、従来一体構造としていたブラシ保持機能とバルブとの接合機能を持った部品を機能ごとに別体とし、かつセルフリターン機能の戻しばねの支点を中心からずらす構造としたもので、これにより、振動環境下でのブラシと抵抗体素子間の接続安定性を飛躍的に向上させています。

自動車の安全性、快適性、環境性に貢献するアルプスのセンサ。

このEGRバルブ・ポジション・センサをはじめとした車載用センサにおいては、今後もさらなる高精度、高耐熱性、高耐久性が求められると考えています。とりわけ、その特性として注視すべきなのは、高い耐温度範囲と動作寿命回数。それぞれについてオーディオ用可変抵抗器と比較してみると、まず耐温度範囲については、オーディオ機器は通常、家庭内や車室内(カーオーディオ)など、たいていの場合、人にとっても快適な温度、湿度内で使用されています。この場合、使用温度範囲はマイナス10℃~85℃で十分。一方、車載用センサはエンジンルーム内などに設置されるため、マイナス40℃~125℃といった非常に低い温度から水が沸騰する高温度に至る範囲で問題なく使用できるスペックが必要となります。
また動作寿命については、一般用の可変抵抗器はおよそ15,000回。これは主な用途が音量調整用であるためです。例えば、音量調整を毎日10回行ったとして、1年で3,650回、4年で14,600回と、普通に使用した場合なら十分な回数。しかし自動車の場合、10年以上の長期間にわたり、正常に使われることが求められ、スロットルバルブ・ポジション・センサだと100万回から1,000万回の動作寿命が必要となります。つまり、1,000万回の寿命があれば毎日2,700回、10年以上アクセルを踏む動作があっても故障しない製品となるわけです。人の命を運ぶ自動車では、この高いスペックが要求されます。このためアルプスでは、車載用センサの抵抗体素子として、10億サイクル(※)対応の素子を開発。走行距離換算で50万kmという耐久性を実現しています。
「民生用から車載用まで幅広く使っていただいてきた中で、お客様のさまざまなご要望にお応えし、鍛えていただいてきたという実感があります。その実績と信頼こそが最大の強みです」(営業本部コンポーネント営業マーケティンググループ 主査 吉田稔)
車載用センサの最も大きな命題は、安全性、快適性、環境性といった自動車に求められる要件に貢献することにあります。アルプスの抵抗式センサは、その一翼を担っています。

※アルプスの実力確認試験結果で、保証値ではありません。
自動車に幅広く適用されるアルプスのセンサ


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